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3月, 2012の投稿を表示しています

(Day30)

酸素飽和度が下がって、呼吸器の酸素濃度が上げられてたらしい。 わかっていた事だけど、いよいよとなるとハラハラする。 わかっていた事だけど、何とか落ち着かなければ。 あの一ヶ月前からわかっていたじゃないか。決まっていたんだよ。 でも、ブログでも書いていないと、電車でじっとしてられない。 あと3駅だ

過去しかない(Day28)

娘が病院に運ばれて、あの子の脳が機能しなくなってから28日目になります。あれから4週間だ。 4週間前の水曜日のあの朝が何度も思い出される。 生きていたときは、娘の未来の事をいっぱい考えたのに、 いまはいくら考えても、娘の未来が考えられない。 生まれてから10年経った。 あと10年で成人式、 中学生になったら下の子は3年生だ、 掛け算が出来なくても高校はいけるのだろうか、 とか考えてた未来が全部なくなった。 過去しか無いよ。 他の人が亡くなったというニュースを聞いても、ここまで考えないよね。 人が死ぬってこういう事なんだな。 何度も思うけど、死は個人的なものだ。 今朝病院に行ったけど、まだ娘の心臓は動いてる。 酸素飽和度が下がって、呼吸器の酸素の濃度が上げられてた。 では

やっぱり涙は枯れない(Day27)

学校は春休み。 小学校に、娘の荷物をとりに行きました。 娘の作文や絵、ついこないだまで生きていた証の数々を受け取りました。 お友達が娘あてに書いた手紙まで、、 涙はやっぱり枯れない。 娘の心臓はまだ動いてます。今日病院に行ったら、低体温になってた。 4月になれば、5年生のクラスの名簿に名前が載るでしょう。 それまでもつのかどうかわかりません。 でも、もう娘が学校に通うことはないんです。 あ、娘の上履きを持って帰ってくるの忘れた。 では

娘へ(Day24)

僕は、あなたにとってどんな父親でしたか? もう何もしてあげられない。ごめんなさい。 あなたは、休日とか、やる事がなくなると、すぐに「暇だ~、なにすればいい?」と言ってきたよね。 疲れてる僕は、自分で考えなさい、暇なら宿題でもしなさい、って突き放したりもした。 今から考えると、短い人生をできる限り濃く生きようとしていたのだろうね。 もっとかまってあげれば良かった。 僕の娘に生まれて、幸せでしたか? あなたはAKBにはまり、コンサートの映画館生中継上映に一緒に行ったよね。 いつのまにか僕もAKBのファンになってました。 いつか劇場公演も一緒に行きたかったけど、もういけなくて残念です。

親として今できること(Day23)

娘の担当医師が、今後の事を話したいというので昨日、妻と病院で先生と話して来ました。 医者は、今後、気管切開してより長期間、呼吸器を持続させるようにしたいと言うつもりだったらしい。 でも、私たちは反対です。 娘の脳が死んでいる、いわゆる脳死の状態である事を、医師の言葉で確認しました。 そして、もうこれ以上、心臓を無理やり動かすなど状態を安定させる措置はしないでくれ、最低限体の形が崩れない程度の対応をしてくれ、と言いました。 つまり、脳死を越えて個体死になるようにしてくれという事です。 これをいう事が親として今出来る唯一の決断だと思っています。 これらの言葉を私たちがどんな気持ちで言ってるか、医療者は想像出来ているのかな。 あと、へらへら笑いながら対応されるのは不愉快だ、ともはっきり言って来た。 これから娘の体は下降線をたどり、近いうちにその時がくるでしょう。 でも、もう脳は死んじゃってるんだもの。 昨日の医師とのやり取りが何度も頭の中をめぐる。あの1時間くらいの私たちとの対話の中で、若い担当医は何か感じてくれただろうか。 まだ救命できたと思ってるのだろうか。すでに救命できてないじゃん。 マニュアル通りに行かなくて、面倒な家族だなと思ってるだろうか。 これまでの日々は何だったんたろう。 また、涙が出るようになりました。 これから、会社の先輩のお葬式にいってきます。 死ってほんとに個人的なもんだなあと思う。 では

悪魔(Day22)

この時間はいったいなんなの? 娘の状態は、 副腎皮質ホルモン放出ホルモンがでないから、おしっこの量も不安定で薬で制御している。 体温調節ができなくなってるから、体温で体の状態を把握することはできない。 これって、視床下部が壊れちゃってるんじゃないの? 脳波はフラット、まぶたもピクリとも動かない。 脳死でしょ もう僕たちは娘は死んじゃってると思ってる。 なのに、点滴で栄養与えて、機械で呼吸させて、薬で代謝整えて、、、 なんのために? 死体を弄んでいると思えるよ。 いったん呼吸器つけたらはずせない。法律と倫理上。 脳外科医も早々とさじを投げている状態なのに、 呼吸器を勝手につけといて、いったんつけたらはずせないだと、、、 なんなんだよ、ずいぶん勝手で無責任じゃないか。 医者はニコニコしながら「安定してます」。 マニュアル通りに体が動いてさぞ満足だろうが、僕たちは、そのへらへらした態度が不愉快だ。 医療者が悪魔に見える。 医者は、僕らの気持ちなんて考えないのかな。 いつまで僕たちを苦しめるの? 「現代医療は地獄だよ。」とは妻の言葉。 早く死なせてやってくれよ。娘の魂も報われないよ。 早く供養させてくれよ。

不思議なこと(Day21)

倫理って、私たちのためのものでなくて、医療者を守るためのものだということがよくわかった。 話はかわるが 不思議な事がある。 いつも娘と一緒に過ごしていた息子の事。 息子は姉とは4つ下で、よく喧嘩もしたけど、いつも仲良く過ごしていた。 その子が、「姉は帰ってこないのか?いつ帰ってくるのか?」とは一度も私たちに聞いてこない事だ。 もしかして、もう帰ってこない事がわかっているのだろうか。 やはり、娘はすでに天国なのだろうな。 息子はわかってるのかも。 天使は息子に囁いてるのかもしれない。 息子には天使の声が聞こえるのかもしれない。 では

いま僕にできること

いま僕にできる事は、 冷静にいま何が起こっているかを理解して、判断し決定する事。 息子を健やかに育てること。 自分たちの人生を大切に自分なりに精いっぱい生きること。 これ以上でも、以下でもない 医療の事について、いろいろ思う事はあるが、それはまた今度。 では

ぬけがら(Day20)

もう抜け殻なんだよね。 昨日、久しぶりに、夫婦そろって娘の病室を訪ねました。 下の子がいるため、休みのときは僕が下の子のケアをしているため、 なかなか、一緒に病室に行けることはありませんでした。 改めて夫婦で、冒頭の言葉を確認しました。 ピクリとも動かない まぶたを持ち上げると、もう目は死んでる・・・ しばらく、バイタルのモニターを眺めていました 心臓は動いているけれど、娘はここにはいない この医療行為に意味はあるのだろうか? 最初の日、娘の頭部のCT画像を見たときに分かっていたんです 素人が見ても、これはもうだめかもって思った これ以上、なにもしなくていいよ もう天国に行ってしまったんだから

涙は枯れる(Day16)

涙って枯れるって事がわかった。 もう涙をながす事がなくなってきた。 ただ日々がすぎるのを待つだけ。 娘は昨日から小児科の病棟に移りました。 僕は、仕事にもどってるけど、気分は最低、、 「お子さんどうだったんですか?」 聞かれることもあるけれど、うまく答えられない。 かろうじて、「小康状態です」と答える。 もう、目を覚ますことはないんです。なんて、仕事仲間に言えない。 つらいなあ、この状況。 運命は厳しいなあ。 では

変わっていく日常(Day14)

あの日から二週間経ちました。 今日はいい天気、でもまだ寒い。 娘は今も病院でねています。娘の時間は止まっているのだろうか、それともすぎているのだろうか。積もっているのだろうか。 それでも、僕の時はすぎて行く。 娘の居なくなった日常を過ごさなければいけない。 会社に居ても、ふと娘との思い出がよみがえり、しばし呆然とする。 昨日、医師から妻に、その時が起こった場合、親が病院に到着してから死亡確認をするか、それとも到着前に死亡確認をしていいかという話があったらしい。 今日は早めに仕事を切り上げて、娘に会いに行って来たい。 では

時は降り積もるもの(Day13)

「時は流れない、雪のように降り積もる」 という見出しが昨日の新聞に載っていたそうです。 時は止まっているようでも感じられ またすぎて行くようにも感じるし あの13日前が忘れられない だんだん、娘の居ない家が日常になってくるのが怖い 埃のたまるのが少ないよ、掃除機かける頻度か少なくなって 娘が居ないから、麦茶も、オレンジジュースも減らない かわいそうな我が子 天使と話したい あの子は今どうなってるの? では

死とは個人的なもの(Day12)

今日は大津波から一年です。 「死とは個人的なものである」 と誰かが書いていた事がここしばらく思い浮かびます。 一年前の災害の時も心を痛めたのは確かなんですが、僕の身内で亡くなった人はいなかった。 娘の死とは次元が違う。 こんなにもつらい事がたくさんの人に降りかかったんだなと、思う。 娘の心臓は今も動いてます。 でも二度と目をさますことはない。 どうすりゃいい? 先が全く見えない。 では

倫理って、誰のため?(Day11)

奇跡は起こるのかな? 「たまにもう無理だと思ってた患者さんが、信じられない回復をする事があるんです、私たちはその奇跡を期待して看護にあたってます。」 そんなことを昨日看護師さんと話しました。 ドクターも、小児の特殊性として無理と思われる状態からの改善が稀にある、って説明してた。 なら、症例みせてくれよ、英語でも読むから見せてくれ。 改善って言ったって、どこまで改善するのやら。 呼吸器入れちゃったから、もう外せないだけなんじゃないの? 医療者側の都合でしょ 無理やり生かされてる 「いまの治療をやめるのは、法律上、倫理上できない」先生の説明です。 誰のための倫理なの? 誰のための医療なの? 僕らの気持ちを考えてよ。 現代医療は地獄だよ いろんな思いが駆け巡る。 昨日、礼服を作りに行きました。娘の葬式のための礼服です。 おしゃれ好きの娘の事だから、アジャスター付きの礼服ズボンなんてダサいっていうんじゃないかと思って、イージーオーダーです。いや、そんなとこ気にしないかもしれないけどね。 出来上がるまで2週間。 もっと長く娘の心臓は動くような気がする。 きっと脳は死んじゃってるのに。それなら早く供養してあげたい。 天使と話せるなら、聞いてみたい。 娘は天国に行ったの?生きてるの? では

魂はどこにいったの?(Day10)

娘の意識が無くなってから10日目になります。 心臓は動いてる、けれど呼吸は人工呼吸器がやってる。 おとといとってもらった脳波は平坦。 生きてるの?死んでるの? 魂はどこにあるのか考えてしまいます。 心臓に魂はいるの? まだここに魂はいるの? ネットを見ても答えがあるわけでもなく。 リビングをうろうろしながらぼんやりする。 もう涙も出なくなりました。 ウィキペディアを見ると、国によって脳死のとらえ方に違いがあるみたい。 イギリスでは脳幹が機能しなくなったら脳死みたいだ。 日本の脳死判定基準も満たしていそうな気がする。 そうすると、娘はもう死んじゃってるんじゃないの? いつもだんどりの悪い僕を娘が知っていて、準備の時間を娘がくれたのかな。 僕はいま、礼服を持っていないので、今のうちに作りに行ったほうがいいのかな? 有給休暇を8日費やしたことになる。来週から出勤できるのだろうか。 では

娘の脳波

昨日、娘の脳波をとってもらいました。 初日にとった時と同じように、脳波は平坦で、有意な活動は認められなかったそうです。 全身状態は安定してきているものの、体の動きや、自発呼吸も認められない。 一般的に考えると、脳機能の改善の見込みはほとんど無い。 しかし、小児の特殊性として、一般的に不可能と考えられる状態からの改善を認めることがごくまれにあるが、可能性は低い。 という先生の説明でした。 脳死ってどういう状態のことをいうんだろうって考えてしまう。 もう娘の脳は死んじゃってるんじゃないのかな。 娘はもう天国にいっちゃってるんじゃないのかな。 でも、先生は、「医師でも戸惑う状態なので、、、」 と言っていたので、はっきり脳死という言葉はまだ使えないのかもしれない。 今の身体の状態では、よほどのことが無い限り心臓が急に止まることは無いそうです。 悪くなることがあるとすれば、呼吸器がついているので、そこからの感染症など。 自分で呼吸してなくて、機械が呼吸している。 これって、生きているといえるのだろうか。 妻は僕よりもわりと早い時期に冷静になってきて、「あの子の運命として受け止めるしかない」と言っている。 彼女はICUに勤務したこともある看護師だから、僕よりも現実を正確に感じ取っているのかもしれない。 では

娘に起こった事

投稿していいものか、とても悩みました。 僕には娘と息子がいます。 娘は小学校4年生、息子は6歳で4月から1年生。 今、僕の娘は、病院の集中治療室にいます。 脳出血による意識障害、自発呼吸できず、人工呼吸器で生きています。 意識は無く、もう意識が戻ることはないでしょう。 2月29日、雪の降る朝でした。 午前4時くらいに娘が突然頭が痛いと泣き叫びました。 かかりつけの24時間対応してくれる病院に電話しました。 状況を伝え、救急車呼んだほうがいいか聞きました。 「いや、それは必要ないんじゃないかな」との答え。 「お子さんは起きていますか?」 といわれたので、泣き叫ぶばかりではっきり状況を聞けませんと答えると、 「意識がはっきりして、まだ酷いようでしたらまた電話してください。」 といわれました。 そうこうしているうちに、娘はベッドによこになり静かになりました。 ぜーぜーと苦しそうな息はしていましたが、僕も眠かったし、寝てしまったのだろうと思って、そのまま朝まで寝ました。 たまに吐くような音がするので、吐いたものをティッシュでぬぐったりしましたが、風邪でもひいたかな?位の気持ちでした。 朝が来て、いつも起こす時間に声をかけ、肩をたたいても、娘は、さっきのままの姿勢。 よく寝てるなと思って、そのまま20分くらい待ちました。 起きる気配がなく、妻を呼びました。 たたいてもつねっても反応がない。 すぐに救急車を呼びました。 すでに意識はなく、酸素飽和度もとても低い状態でした。 そのときは、何が起きたか分かりませんでした。 下の子がいるので、妻を家に残し、救急車に一緒にのって病院へ。 自発呼吸がほとんどできていない、と救急の人は言っていました。 娘の唇が真っ青でした。 ERでしばらく処置された後、先生が来て、 「お母さんもできるだけ早く呼んでください、会わせたい人がいたら呼んでください」 すでに、そんな状況になっていました。 前の日の晩までは、いつもどおりだったのに。 先生の話では、脳の出血が酷くて、もう手を施すすべが無いそうです。 こんな若い子供がこのような出血をするのはありえなくて、もともと生まれつき血管に異常があって、それが、いま出血をおこしたのではないか、それ以外は考えられない。