川島隆太の自分の脳を自分で育てる

 最近本屋さんでよく見かける頭の体操の本。

川島隆太の自分の脳を自分で育てる―朝5分の音読・単純計算 (講談社プラスアルファ文庫)


川島隆太という名前もよく見かけていましたが、この人がテレビに出ているところをみて、はっと思い出した。この人知っている。


実は私が学生の時、10年以上も前に、川島先生の実験台になるバイトをやったのだ。

その時から、この先生はPETを使った脳イメージングの実験をやっていた。

私は1日だけ、1万円(もっともらったかな??)のバイト料で、放射性同位元素の入った薬を注射され、検出器の中に入って、点滅する光を目で追ったり、指で指したりする実験。今出ている本に書いてある事より遥かに原始的な実験内容であった。


もう一人のバイトの実験台の学生と盛岡まで仙台から先生の運転する車に乗せられ、盛岡のサイクロが併設されているがんセンターみたいな病院まで行き、実験はすぐに終わるのだが、昼ご飯に先生たちと焼き肉を食べ、帰りにも焼き肉を食べた。ひごろろくな物を食べていない学生にはうれしかった。

今も覚えている、先生の車はギャランだった。


その頃は、私はなんとか物理学科に入ったものの、どんな専門に行こうかなんて全然考えてなかった。

そのときのこのバイトで、川島先生からPETの事を教えてもらい、それから放射線に興味を持ち始め原子核の講座に進む事になったのだ。

研究室では勉強しなかったため鳴かず飛ばずだったが、もし興味がそのまま持続してたらと思うと。

興味のポイントは間違ってなかったと、納得しよう。でも方向が違っていたか、、、

自分のPETの画像の写真をそのときにもらったが、今も大事に持ってます。2度と撮れないと思ったので。


PETとは、ポジトロン、エミッション、トモグラフの略で、陽電子を出して崩壊する放射性同位元素を含む元素を使って、脳が活動するときに使われる物質を作り、脳の活動部位を見つける断層写真のこと。

陽電子はすぐに電子と出会って、そこで電子と陽電子は2本のガンマ線を出して消滅。2本のガンマ線はそれぞれ反対方向に行くので、それを360度全方向に用意した検出器で同時に検出する事で陽電子の消滅した位置を知る。という、なんとも簡単な原理。


放射性物質を体内に入れるため、内部被爆します。そういう説明もきちんと聞いた上での実験台でした。

そのときの放射線量は、飛行機でニューヨークを往復するくらいの被爆量だそうです。

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